このページでは、エアコンの取付をしてきた経験を基に作業の手順を紹介しています。
エアコンの取付をされている同士の方や、エアコンの取付作業に関心がある方への参考になれば嬉しいです。
以下のリンクページでは壁掛けルームエアコン設置の時に注意する事を纏めています。
<<内部リンク>>
壁掛けルームエアコン設置の時に注意する事
室内機の設置
配管穴の径に注意が必要なエアコンについて
ダイキン製うるさらXシリーズの様に換気ホースを屋外に出す必要のある機種もあります。
このような機種を取付する際には、配管穴の径に注意が必要です。
以下のリンクページはうるさらX取付時の参考記事になります。
<<内部リンク>>
ダイキン製うるさらXエアコン取付時の注意点
据付け位置を決める
室内機据付け板の写真です。(エアコン室内機に同梱されています)
この板を用いて設置場所や配管穴の位置決めを行います。
この据付け板には、本体上端、左右端までの寸法が記載されています。
※メーカーや機種の違いにより据付け板に寸法の表示がされていないものがあります
その場合は工事説明書や室外機外箱等に記載されていますので確認しましょう。
据付け板設置時に確認する事
・本体左右の端が、壁やコンセントに干渉しないか。
・本体の蓋を全開にした時に天井に干渉しないか。
・本体を添え付け板に掛ける時に、廻り縁に干渉しないか。
・本体下端部が、カーテンレールに当たらない、ルーバーが開く時に干渉しないか。
・コンセントが天井にある場合、エアコン本体を取付した後にプラグを抜き差し出来るか。
(アース線を差し込む事が出来るか)
製品の据付説明書等に、確保する空間についての推奨寸法が記載されています。
推奨距離を確保すると、上記の項目はほぼクリアする事が出来ます。
エアコンのメンテナンスを考慮するのであれば、推奨距離を確保する事が望ましいです。
据付け板に記載されている本体の寸法
据付け板に記載されている配管穴位置までの距離
据付け板には配管穴中心までの距離が記載されています。
左右方向の配管穴のセンター(中心)は、突起部上の┃←先端から 背面左出しの場合は90mm
背面右出しの場合は70mmとなっています。
縦方向(高さ)は、開口する穴の直径(ホルソーの直径) φ60、φ65、φ70によりセンター位置の高さを測ります。
据付け板を仮止めする
据付け板の写真の位置にビスを打ち、据付け板を引っ掛けて仮止めします。
据付け板が水平になっているか確認する。
この時、水平を合わせたのに天井と据付け板上端の隙間が左右で違う場合があります。
この状態でそのまま本体を設置すると、本体が傾いて設置されていると指摘を受けてしまいます。
建物側の要因ですので、水平に設置する事の重要性を説明し、承諾を得てから設置しましょう。
据付け板の寸法表示を参考に配管穴のセンター位置を決める。
この時に水平位置がズレない様、注意しましょう。
据付け板を引っ掛ける為のビス以外にもう一本ビスを留めるのも良いでしょう。
但し、据付け板の端の方にはビスを打たないようにしましょう。
(後で据付け板を移動する事になった時困ります)
配管穴をあける前に、下地センサー等を用いて間柱や胴縁が無いかを確認しておきましょう。
※参考までに、内壁のボードを貼る前の写真があったので載せておきます。
ただ、筋交いは外壁寄りにあるので、下地センサーで確認するのは困難です。
筋交いに当たる不安があるならば細長いドリルで探る方法があります。
探った結果によっては、据付け板をズラす事になるかもしれませんので、無事に穴あけが終了するまで据付け板を完全に固定しないようにしましょう。(安易に据付け板の端にビスは打たない)
ちなみに写真の現場☟は、右に筋交いがある状況でした。
細いドリルで探った時、外壁に到達する前に木に当たった感触があり、筋交いを避け左側に配管穴をあけました。探り穴が残ったため、据付け板を右にズラしリカバリーしました。
穴あけ終了前に据付け板を完全に固定すると、リカバリーが非常に困難になります。
穴あけの際、先に内側のボードだけを抜き、壁内に電線や柱等の障害物が無い事を確認しましょう。
壁材にもよるのですが、外壁を抜く時は、ホルソーを無理に押し付けず、回転で切断していく感じで抜きましょう。
外壁の表面が剥がれる、もしくは割れる恐れがある場合。抜いた壁材が外側に落下すると問題がある時は、外壁部を外側から抜きましょう。
(センタードリルで穴を開けておき、外側からその穴にセンタードリルを差し込んで穴をあけます)
配管穴はドレン排水や雨水等が室内側に流れる事を防止するため、室外側に下り勾配(5°程度)をつけるようにします。
配管穴にはスリーブを挿入しましょう。
写真は因幡電工の貫通スリーブです(FPF-60)
配管の勾配に合わせて角度をつける事が出来ます。
位置決めした据付け板でビス穴の位置を決め、ボードアンカーを打ち込みます。
ボードアンカーはねじ込み式ではなく、壁内で傘の様に開くものを使用してください。
ちなみに、緑のマスキングテープの下には縦に柱が入っています。(事前に下地センサーで確認)
アンカーを打った後、据付け板を固定します。
出来るだけ間柱や胴縁等、直接ビスが効く箇所を設けましょう。
(エアコン設置用下地がある場合を除く)
緑のマスキングテープの下方向2箇所は柱にビスを打ち込み固定しました。
ビス留め位置の目安は、据付け板の上部は4~5箇所程度、下部は左右の爪の受け部分を固定出来る箇所が一般的ですが、柱に固定出来ない場合はこの限りではありません。
端部の固定はしっかり行いましょう。
固定が不十分だと室内機が壁から浮きやすくなります。他にエアコンの修理やクリーニング時、下手をすると設置の途中でアンカーが抜ける場合があります。
☝ここまで固定出来れば心配は無いでしょう。
通信線を接続する
通信線の種類
室内機と室外機を繋ぐ通信線に使用するケーブル
VVFケーブル 2.0mm(導体直径) 3芯
機種によっては
VVFケーブル 1.6mm(導体直径) 3芯(1.6mmは工事説明書等に記載がある場合のみ)
より線のケーブル 公称断面積 SQ(㎟表記)は使用出来ません。
ケーブルの接続方法
・必要な長さにケーブルをカットし室内機の端子板に接続後、余ったケーブルを配管穴に通し外に出す方法。
・外から配管穴を通し室内にケーブルを入れ、端子板に接続し必要な長さにカットする方法。
※室外機正面から向かって右側に配管を出す場合より左に出す場合の方がケーブル長が長くなりま
す。(ほとんどの機種が向かって右に端子板があるので)
ケーブルの心線被覆を剥がし、端子板へ差し込みます。
※上の写真の機種は端子板を覆うカバーを留めるネジが別袋に梱包してあります。
袋には複数のネジが入っていますが、一本だけ短いネジがありますのでそれを使ってカバーを取付して下さい。
(複数の長いネジが余りますが、据付け板取付用のネジです)
ケーブルの芯線被覆を剥がす作業の様子を下記リンクページに載せています。
<<内部リンク>>ケーブル芯線被覆の剥がし方
配管の処理方法
配管を右背面から出す場合
本体の右背面で配管、ドレンホース、配線を纏め、テープ巻きする。
余っている電線を配管穴から外に出しながら、室内機を据付け板に引っ掛け固定する。
(据付け板上部の突起に本体を引っ掛け、据付け板下部の左右の穴に本体内側の爪を掛け固定する)
右背面出しの場合は、配管とドレンホースは外で繋ぐ事になります。
補助配管の接続部、本体付属のドレンホースの先端までの寸法を測り、本体を取付した後に配管やドレンホースを繋ぐ事が出来るか確認しておきましょう。
配管を左背面から出す場合
通信線を繋ぎ、本体付属ドレンホースの位置を変更する。
ドレンホースはビス1本で固定されています。ホースとネジを移動しましょう。
ホースを抜いた側の穴にゴムパッキンを差し込むのを忘れずに。
細いドライバーを使ってしっかり奥まで差し込む事。(水漏れの原因になります)
配管を先に繋いでから本体を据付け板に掛けるため、外から配管を穴に通し、配管の曲げ加工をする場所までの距離を測っておく。
配管先端をフレア加工し、ナイログを塗布します。
配管同士を接続しフレアナットは手で締める。(最初からレンチで締め込まない事)
最後にトルクレンチでカチッと手ごたえがあるまで締め込む。
フレア加工時の様子を下記リンクページに載せています。
<<内部リンク>>BBKフレアツールを使ってみた
配管接続部は断熱テープ等でしっかり断熱処理を行い、先に測定してマーキングをした箇所を基準に配管の曲げ加工をする。
配管と電線、ドレンホースをテープで纏めて巻き、配管等を外に押し出しながら据付け板に掛けて室内機を設置する。
電源コードが邪魔になるので、テープ等で固定しておく。
配管曲げ加工の精度で、室内機の収まり具合が決まります。慎重且つ丁寧に作業しましょう。
室内機を設置してから配管を繋ぐ場合
この様な設置の場合は、室内機を壁に掛けてから配管を接続します。
掛け繋ぎ作業の様子は下記のリンクページに纏めていますので、参考にしてみて下さい。
掛け繋ぎ作業の様子は下記のリンクページに纏めています。
<<内部リンク>>室内機を壁に掛けてから配管を繋いでみた
配管穴は、パテ等を使用して塞いでおきましょう。
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