家庭用ルームエアコンのポンプダウン方法

ポンプダウン方法を解説エアコン工事

エアコンの入替や移設の時にはポンプダウンでエアコンのガスを室外機に回収する必要があります。
日頃からエアコン入替等でポンプダウンを行っている方からすると大した作業ではありませんが、不意の移設依頼等で、いざ作業~と思ったら あれ?どうするんだっけ?なんて事もあるのでは?

そんな時の為に家庭用ルームエアコンのポンプダウン方法の解説を致します。

あと、最近DIYで設置したエアコンが爆発したという話を聞いた事がありませんか?
エアコンが爆発する要因についても少し触れてみたいと思います。

ポンプダウン作業前に確認する事

ポンプダウン作業をするにはエアコンが正常に動作する事が前提になります。
室外機のファンが回転しても、肝心のコンプレッサーが動作するか、故障等で動作しないのであれば室外機にガスを回収させる事が出来ません。
ただ、低温下だと、冷房運転に入らない場合があります。そんな時は強制冷房運転モードで運転をさせる事でポンプダウンが出来ます。
 (メーカーや機種により強制冷房運転にする操作に違いがあるので注意)
また、配管接続部や室外機底面に油がにじみでている、配管が折れている、漏電している、コンプレッサーは動作しているのに全く冷えない、こんな場合はガス漏れしている可能性が高く、ポンプダウンをすると危険ですので、回収装置を使用してガスを抜く必要があります。
ガスが漏れている=配管内に空気が入る箇所がある
なぜ危険?なのかは、後述していきます。

ポンプダウン作業の手順

  • 冷房運転を行う。(気温が低く運転しない場合は強制冷房運転で動作させる)
  • 室外機横のカバーを外し、2方弁1箇所(細管接続側)3方弁2箇所(太管接続側)のキャップをモンキーレンチ等で外す
  • 3方弁のサービスポートにゲージマニホールドの低圧側(青)ホースを接続する
    (事前にゲージマニホールドの低圧及び高圧バルブが閉まっている事を確認する)
    参考
    ゲージのホースをサービスポートに直接接続する時に、虫ピンが先に押されガスが噴き出す事があり指に凍傷を負う恐れがあります。安全に作業をする為、チャージバルブを使用する事をお勧めします!
  • ゲージマニホールドの低圧バルブを少しだけ開き、ホース内の残留空気を押し出す。
    (残留空気分なので少し抜く程度、チャージバルブを使用すれば真空引きし、ホース内の残留空気を抜く事が可能です)
  • 2方弁を六角レンチ(ほぼ対辺4mm)でレンチが止まるまで締め込む。(全閉)
  • 3方弁を半分程度まで六角レンチで締め込む。 
  • 低圧ゲージの圧力が0Mpaになったら3方弁をレンチが止まるまで締める。(全閉)
  • 速やかにエアコンの運転を停止する。
  • コンプレッサーが停止している事を再度確認しゲージマニホールドや配管を外す。
  • 外したキャップやカバーを元に戻す。    

注意点

R-410AR-32はゲージマニホールドを共用する事が可能ですが、R-22(従来冷媒)のエアコンはゲージマニホールドやサービスポートの径が違うので使用出来ません
チャージバルブも共用出来ません
R-22 サービスポート径 1/4フレア
R-410 R-32 サービスポート径 5/16フレア

R-22冷媒エアコンのポンプダウン【動画】

R-22冷媒のエアコンです。2方弁3方弁の配置が最近のエアコンと逆になっていました。

ポンプダウン動画

ポンプダウン時にエアコンが爆発

エアコンが爆発したという事について。
ニュース等で初めて知ったという方も多いのではないかと思います。
過去から起きている事故なのですが、SNSの普及によりDIYでエアコンを設置され事故が起きるケースが増えた事で表面化したのだと思います。
エアコンが爆発した件の正体は⇒コンプレッサーの破裂による事故です。
では、なぜコンプレッサーが破裂してしまうのでしょうか?

『コンプレッサーは、以下の3つの条件がそろい空気圧縮運転をすると、異常高温高圧になり、最悪の
 場合、冷凍機油の温度が着火点まで上昇して破裂するおそれがあります。

  • 冷凍サイクル内に空気が混入する(配管接続部やコンプレッサーの吸込み側のリーク)
  • 冷媒回路内に閉そく部がある(液側バルブ閉止、絞り機構・冷媒サイクルの詰まり)
  • コンプレッサーを運転させている                                
    ※潤滑油の自然発火による爆発から【ディーゼル爆発】と呼ぶ場合もある。』
                JRAIA 一般社団法人日本冷凍空調工業会HPより引用

実際の作業に照らし合わせると
空気が混入する要因
・配管部の接続不良、フレア加工不良、配管折れ
・ガス漏れ箇所がある、太管側ナットを緩めた
冷媒回路内に閉そく部が発生する要因
・2方弁閉止状態、2分配管の潰れ、折れ、詰まり
コンプレッサーが運転している
・コンプレッサーが空気を吸い込む条件での運転継続

ポンプダウン作業時は、上記の事に十分注意しながら作業を進めていきましょう

最後に

ポンプダウンの作業自体は簡単なものです。
ですが、正確な判断と適切な手順で行わなければ重大な事故をおこすリスクがあります。
作業時は、ゲージマニホールドで停止時と運転時のガス圧を確認、ガス漏れがないかを判断し
ポンプダウン時は圧力の変化を確認し、適切な手順で作業する事を心掛けましょう。

記事の内容が参考になれば嬉しいです。本日もご安全に!

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