電気ケトルでお湯を沸かしたり、炊飯器を使用すると干物の様な匂いがする様になってきた。電気ケトルから匂いがしている訳でもなく、原因がわからないまま使用を続けていると目が痛くなったり、頭が痛くなったり、体にも影響が出るようになってきた。
電気ケトルを丸洗いしたのが悪かったのだろうか?あくまで、電気製品の不具合としか思っていなかった、、、。
ある日、帰宅し部屋に入った所、いつもの異臭がする事に気が付いた。電気製品を使用していなかったので、さすがにまずいと思い、部屋を見渡していたところ、、、、、コンセントの横が茶色になっている事に気が付いた。
うゎ!!!
火事一歩手前じゃないか、、、
コンセントがこんな事になっていた、、、
たこ足配線って、怖い
今回の事象から、たこ足配線の危険性を考えてみたいと思います。
たこ足配線状況
ちなみに、こんな配線になっていました。
これを見て、うゎ~これはダメでしょ???と思う方は多いと思います。ただ、ウチもこんな感じかも、、、と思われる方もいるのでは?壁コンセントは、簡単に増設出来ないので実際この様になっている事は多いと思います。
コテコテのたこ足配線です。
ちなみに、上記の様な配線をすると今回焼けた部分は
- 電気ストーブ 1200w
- 電気ケトル 1200w
- 電気ジャー炊飯器 670w
3つの製品を一緒に使用すると仮定した場合、最大で3070wもの電力を配線が受ける事になります。ただ、3070wの電力となると、流石に分岐ブレーカーはOFFしてしまうでしょう。
最近は、スマートメーターが設置されている為、契約ブレーカーが付いてない場合があります。
今回の問題
さて、今回はどんな問題があったのでしょうか?考えてみます。
三股コンセントを使用していた、テーブルタップが古かった、テーブルタップに更にテーブルタップを繋ぎ延長をしていた。
これらの事はあきらかに問題だったと思います。
ただ、インターネットでたこ足配線と調べてみると、同時使用で電力オーバーさえさせなければ配線を繋いでおく分には問題はないとの解釈があったりします。(これが間違いという訳ではありません)
電力オーバーとは、簡単に言うと製品使用時の電力が1500wを超えてしまう事です。
たこ足配線の場合、この1500wを超えない使い方というのが意外に厄介な事になります。
コンセントが焼けた(焦げた)理由
以下に記載する事が全てという事ではありませんが、要因の一つとして考えられる事を記載します。
小さいブレーカーが右に並んでいますが、これが配線用遮断器(分岐ブレーカーや子ブレーカー)と呼ばれているもので、レバーの先端等に20や20Aと書かれているものが多くあります。(このページでは分岐ブレーカーと呼んでいきます)
そして下記の表は、ブレーカーの動作時間です。
これを基に、今回の配線状況を今一度見てみましょう。
まず、1つの分岐ブレーカーの容量は20Aです。20Aブレーカーの場合、単純に考えると1つの分岐ブレーカーに繋がっている回路は2000w迄使用出来る事になります。※細かな条件については無視しています。
これに、ブレーカーの動作時間を加味すると
20A×1.25倍×100V=2500W となります。
電流(A)×電圧(V)=電力(W)
2500Wの電力使用量の時は60分経たないとブレーカーはOFFにならない事になり、製品が使用出来てしまうという訳です。(実際は60分以内なのでもっと早くブレーカーはOFFになるはずですが)
今思えば、電気ストーブと電気ケトルが同時に使用した際に匂いがする事が多かったと思います。
この時の最大電力は
電気ストーブ1200W+電気ケトル1200W=2400Wとなってしまった様です。
電気ケトルでお湯が沸く迄の時間は約3~4分程でしたが、その間焼損箇所は最大2400Wの電力がを受けており24Aもの電流が流れたと思われます。このことが繰り返された事で発熱しダメージが加わり焼損に至ったものと思われます。その間ブレーカーがOFFになる事は一度もありませんでした。
(ブレーカーはたこ足配線による事故の発生を防いでくれるものではありません)
それにしても、1500W以内にしなければならないのに2400Wでも普通に製品が使えるなんてとても怖いですよね。こんな事が起こり得るんですよ。
今回の対処
たこ足配線を見直してみました。
- 三股コンセントの撤去
- テーブルタップによる配線延長を廃止
- 電気ストーブとガスストーブのプラグ差し替え
- 電気ケトルと電気ジャー炊飯器の同時使用を禁止
注;上記の方法が安全であると断言しているものではありません
今回の配線変更により、1本のコードに流れる最大電流が少なくなりました。
電気ケトル1200W+電気ジャー炊飯器670W+ガストーブ39W=1909W それでもまだ2000W近くになっていますが、ケトルと炊飯器の同時使用を禁止し対応します。
最後に
たこ足配線は、おかれている状況により回避が困難である事が多いと思います。
ただ、知識や工夫によって危険度を下げる事は可能です。
今回のやりかたをすれば安全だとは言いきれるものではありませんが、知識として覚えておいて損は無いと思います。
古いコンセントの交換や延長コードの買い替え、コードの数珠繋ぎをやめる、二股、三股コンセントを使用しない等の対処はもちろんですが、製品の消費電力、使用時間、同時使用となり得る割合を調べ接続方法を変える等の方法は有効だと思いますので早速試してみて頂ければと思います。
今回の記事が参考になれば幸いです。
コメント