照明器具を新設しスイッチと接続する際、どっちの線を繋ぐんだっけ?
こんな時の為に、複線図を使い接続方法を確認してみましょう。
注 電気工事士の有資格者でなければ施工出来ない作業です。
どっちの接続が正しい?
下記に照明器具1灯とスイッチ1個の単純な回路の複線図が2種類あります。
どちらの接続方法が良いのでしょうか?
NO.1
NO.2
図中にある E、N、L はベースライト灯具の接続箇所です。
この灯具はNとLの間にランプユニット(負荷)が接続されます。
解答
正解は、NO.1です!
さて、どのような違いがあるのでしょうか?
NO.1の回路
NO.1の複線図はすっきりしていますね。でもそれが正解の理由というわけではありません。
一般的な単相電路(100V回路)の場合、N側は接地側、L側は非設置側と呼ばれています。
接地側N(白)は文字通り接地工事が施されており地面に対する電圧(対地電圧)は0V(ボルト)。そのため人が地面や地面上の建造物にいる場合、対地電圧は0Vで設置側の電線に触れても感電の危険はありません。
非設置側L(黒)は地面に対する電圧(対地電圧)は100Vで、人が触れると
感電の危険性があります。
NO.1の回路は、スイッチを切るとそれ以降の電路は遮断されます。
※赤い線の部分が非接地側電路(L)
そのため、照明器具に電圧はかかりません。
NO.2の回路
NO.2の回路は、スイッチを切って電路を遮断しても照明器具には電圧がかってしまいます。
※赤い線の部分が非接地側電路(L)
実際の所、照明器具のシャーシと非接地側電路Lが繋がっているのではありませんが
スイッチを切っても電気が来ていると思うと怖いですね。
手が濡れている状態で触ってしまった等、想像したくもありません。
あと、照明器具に不具合(漏電等)が起きるとスイッチを切っていても感電の危険が伴います。
照明器具に接地工事(アース)が施されていると、ブレーカーが電路を遮断してくれますが
接地工事が施されている照明器具はほとんどないと思われます。
接続時に覚えておく事
- 電源供給(ブレーカー)からの接地側電線N(白)は照明器具の非接地側(N)に繋ぐ。
※器具側接続箇所はアース端子(E)ではありません - 電源供給(ブレーカー)からの非接地側電線L(接続状況により線の色は異なる)はスイッチに繋ぐ。
- スイッチから、照明器具の非接地側(L)を配線で繋ぎ閉回路を作る。
電源供給(ブレーカー)からの接地側電線(白)は負荷(電気機器)のNに繋ぐ事が重要です。
現場では
照明器具を左右から跨いで結線した場合のイメージ。
複線図で見るとなんでもない事ですが、いざ照明器具の所で見ると繋ぎ方を間違えそうですね。
電気工事を時々やるという方や、作業中の不意な案件対応に気を取られた時等は注意が必要ですね。
<内部リンク>
両切りスイッチ
単相200V回路に照明器具を接続する際に使用する両切りスイッチ。
(浴室や台所等の水気がある場所に使用される事もある)
両切りと言うだけあって双方の電路を遮断出来ます。
複線図
見るからに安全な回路が構築出来ています。
現場では
両切りスイッチを使用するとなると片切スイッチよりも高価なだけではなく、配線が増え作業もかなり困難になりますので、どうしても必要という時しか出来ないですね。
最後に
照明器具とスイッチの接続方法について簡単に解説してみました。
現場では複数のスイッチや灯具がある事や3路スイッチや4路スイッチ等、もっと複雑な回路が存在するでしょう。
そんな場合でも、電源供給側の接地側電線(N)は負荷となる器具のN端子に繋ぐ事を忘れないで下さい。(器具側接続箇所はアース端子Eではありません)
注意!
電源供給側(分電盤等)に配線間違いが無い事が大前提となります。
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